グレタ・ガーウィグ『レディ・バード』を見て
異国に住む私は故郷・東京に何を思うのだろう?
家族?友達?恋人?(または元恋人?元友達?)
それとも母校?
過去と折り合いをつけることは難しいと最近つくづく思う。
自分の身の回りに起きた過去の出来事は、時々私を苦しめ、または私を赤面させ、そして私は過去に起きたことを否定までしてしまう。
あの苦い恋愛の経験。
あの時、ああしてこうして彼と付き合ってたら。
バラ色の生活が待っていたのに。
私の母校。
あの高校に通っていなかったらこんなに世間体を気にせずに生きていけたんじゃないか。
あの時もっとイケイケだったら。
もっと刺激的な生活が待っていたかも。
現在の私は過去の私のアップデート版だと思っているけど
過去の私がベースになっている限り、
現在の私に満足することはできない
現状で満足することはあんまり良くないと思っているけど
過去に満足できないこのダサい感じ?
レディ・バードはニューヨークに出て、「レディ・バード」の名前を捨てて本名を名乗るようになる。出身はサンフランシスコだと嘘はつくけど。
この、ありのままの自分を受け入れるという過程が少女(少年)が大人になるための通過儀礼だ。
思い出と折り合いをつけること、それはありのままの自分を受け入れること
あの時のダサい自分、結ばれなかった彼、私が発した言葉たち、
全て綺麗にラッピングして今の自分にプレゼントしてあげたいよ